私がGAFA(Google, Apple, Facebook, Amazon)に始めて応募して面接を受けた時、ひたすら緊張していました。
その理由の1つが「得体の知れなさ」です。
当時、ちょうどGoogleが職場として注目され始めた時期で、難題が面接で質問され、地頭のいい選び抜かれた人だけが働くことができる場所、というイメージをメディアなどを通じて勝手にもってしまっていました。
ただ、実際に働き始め、さらに、チームのリーダーとして採用責任を負うようになって振り返って思えば、あの時のイメージはまったく間違っていたと実感します。
これからGAFAなど外資系テック企業の面接を受ける方が、必要以上に緊張しなくていいよう、今日は採用責任者や採用担当がどのように面接に臨んでいるかがわかるよう、リアルな日常を書いてみたいと思います。
なお、採用プロセスの肝はコチラの記事でまとめているのでまずこちらを読んでいただけると、各ステップで候補者の方が取るべき行動はイメージしていただけるかと思います。
本記事では、「面接官も人間なんだな」、ということを感じていただいて、精神的に余裕をもって面接に臨んでもらえることを目指して、オファーをもらう確率を上げるポイントとともに書いていきたいと思います。
とにかく早く終えたい採用活動
まず、とにもかくにも「採用活動を可能な限り早く終えたい」と採用責任者とリクルーターは考えています。
管理職の経験がある方はわかるかと思いますが、採用責任者であるマネージャー以上の人間にとって、部下が1人いないだけで自分の仕事は格段に大変になります。それに加えて、面接などの採用活動は非常に長い時間を取られてしまいます。
そのため、採用活動をしている期間というのはダブルで忙しくなりとても大変なのです。
長期化すると人件費を削られてしまう可能性も
さらに、採用活動が長期化し過ぎると、本社から人件費を削る判断を下されてしまう可能性が高まっていきます。
「あれだけ人員をリクエストしておきながら、いまだに採用していないのか」「このポジション採用していなくても仕事が回るってことだね」と、まあ当然の判断をされてしまうわけです。
そのため、なかなか採用できていないポジションほど、採用責任者があなたを採用するインセンティブが強くなってきます。
リクルーターの人事評価に悪影響がでる
そして、そんな長期化がダイレクトに評価に影響してしまうのが、採用業務がメインの責任であるリクルータです。
リクルーターは、「オープンになっているポジションの採用を今期は〇〇個完了する」といった目標設定を基本的にしています。すなわち、採用し損ねると目標未達となってしまうわけです。
そのため、「この候補者を採用できないとその後ろにいい候補者がみつからなそう」「今期の目標達成できなくなってしまう」という場面では、ものすごく社内で根回しをしてオファーレターを出せるように調整を試みます。
私も以前リクルーターから「〇〇名履歴書をみて△△名面接にあげましたけど、正直この要件満たす人いないんですよ。色々彼のリファレスも内密にとってみたけど評判も良くて...」みたいな説得を幾度となく受けてきています。
そのため、リクルーターに「この候補者はいい」と思ってもらっていると、思わぬ援軍になってくれるわけです。
リクルーターのうまい活用法については、noteのコチラの記事で解説しました。
最後は「えいやっ」の世界
以上、採用する側も焦っていることがお分かりいただけたかと思います。
「必ず自分より優秀な人を採用するのが決まり」といった綺麗事が私がいた外資系企業でも語られていましたが、完璧な人材に出会えることはほとんどありません。
期限も近いし「AさんとBさんにしておきましょう。」といった温度感でオファー対象を決めることの方が圧倒底に多いのです。
私がGAFAに採用されて少し経った頃、「なぜこの時期にまとめて採用したんですか?」と当時の上司に聞いたところ、「今参加してもらっているチームオフサイトの前には終わらしたかったんだよね。」との回答。
多くのケースでその程度の理由で期限が切られ、意思決定がなされています。
別にそこまで公正でも公平でもない
GoogleやAmazonの面接というと厳正で、全ての面接官からポジティブなフィードバックがあり、綿密な議論の末にオファーを出す候補者を選んでいる、といったイメージを持たれている方が多くいらっしゃるかと思います。私も入社前はそのようなイメージを持っていました。採用の特異さを取り上げたいメディアによってそのようなイメージが作り上げられているのかも知れません。
しかし、実際のところはそこまで公正でも公平でもありません。
私がまだジュニアの社員だった頃の話です。
通常、バイアスがかからないように他の面接官の採否についてのフィードバックは自分がフィードバックを提出する前は見えないなど配慮がなされています。
しかしながら、その当時の上司は、「これから面接設定されると思うんだけど、彼、結構いいと思うんだよなー...」と面接前の私に一言。
ものすごくバイアスをかけにきたわけですね笑
サラリーマン的には上司がそこまで根回ししにくると、不採用とはフィードバックしづらくなることが多いのではないかと思います。
たぶん、私が不採用を出すような候補者であることもわかっていて、だけどもう採用としてポジションを早く埋めたいんだろうな、といった状況ですね。
これは極端な例ですが、こういった公正・公平か(?)と思ってしまうケースはよくあります。
ですので、オファーをもらえなくても、リクルータから突如連絡がこなくなっても、そこまで落ち込まないでください。たまたま道であった人と、気が合うかどうかくらいの偶然で転職の成否が決まることもあります。過去のことは気にせず自分を成長させながら、繰り返し応募していただくければオファーをもらえる確率は必ず上がってくるのでポジティブにいきましょう。
面接の本番ですぐに使える実務的な内容は、「質問パターンと対策」を解説したコチラの記事、また「Google面接でよく聞かれる質問のまとめ」「Amazon面接でよく聞かれる質問のまとめ」にあります。
以上、少しでも皆さんの余計な緊張を解くことにこの記事が役立ったら幸いです。