私はキャリアの長い期間をGAFAで過ごしてきました。
そん中で、Google, Apple, Facebook, Amazonといった企業への転職を目指す人から多くいただく質問の1つが「面接はどのように進むのか」というもの。
そこで、この記事ではGoogle, Apple, Facebook, Amazonといった「米国テック企業の面接がどのように進むか」、加えて「面接突破のために押さえておきたいポイント」を解説していきたいと思います。
米国テック企業の採用はこうなっている
では、早速ですが、「人の採用」がどのように行われるのか、そのプロセスがこちらです。
採用プロセス
- 事業戦略・会社としての優先順位づけ
- 各事業のトップによる、ヘッドカウント(採用枠)申請
- ヘッドカウント承認
- 各ポジション(募集求人)の採用責任者による採用基準を策定
- 採用基準にかなっている人をリクルーティングチームが調査(ソーシング)、精査(スクリーニング)
- 候補者へのアプローチ
- 採用チームによる候補者のスクリーニング
- 候補者の面接
- 各面接官が候補者に対するフィードバックを提出
- デブリーフ (採用チーム全体で採用者を決めるミーティング)
- リクルーターが候補者にオファーレターを出す
- 年収、就業開始日など条件の合意
- 候補者のオファーレターへのサイン
- 新入社員の入社
この中で皆さんに関わってくるのは、「4. 各ポジション(募集求人)の採用責任者による採用基準を策定」以降のプロセスでしょう。
その中で、特に注意を払うべき点や落とし穴などを詳しく解説していきます。
面接突破に欠かせない採用基準の理解
いざヘッドカウントが承認されると、採用責任者は「どのような人を採用すべきか」より詳細に要件を定義づけていきます(ここでは採用基準と呼びます)。
採用基準は、スキルや働いていた企業例、マネージメントしていた組織のサイズやビジネスのフェーズ、経験年数、マインドセットなど内容は多岐にわたります。
募集要項として表に出るものから、社内の認識合わせのために作成される社内向けの情報があり、関係者の間で認識がズレないように作っていきます。
そして、面接が始まる際、各面接官にどの基準をチェックして欲しいのか割り振って打診していく形となります。
従って、この採用基準を理解することができると、面接を有利に進められる可能性が出てきます。もちろん、経験やスキルの基準など、仮に知っても短期間でどうすることもできないものもありますが、知らないよりは知っていた方が、面接の際より精度の高い受け答えが可能となります。
ソーシング・スクリーニングを突破するコツ
ここからいよいよ、あなたの採用企業とのやりとりが開始されます。
リクルーターのソーシング・スクリーニングの突破が第一関門となります。
結論から書いてしまうと、「採用基準に合致しているか否か」が全てです。
ここでいう採用基準は、〇〇という企業で働いていて、〇〇というポジションについている人、といった経歴やそれまでの経験です。
例えば、GAFAで長い期間働いた私ですが、応募するタイミングが1年間遅かっただけで、その当時私では書類審査を突破できていませんでした。採用基準が変わって、無名のスタートアップ企業から人を取ることはなくなっていました。
詳しくは、noteの「"履歴書"に投資すべき理由【外資転職を目指す方へ】」という記事に書かれていますので、面接まで進めずに苦労している方は読んでみてください。
なお、例外的に、会社内部のリファラー(紹介者)経由の応募の場合は、履歴書が基準に合致していなくても面接まで進めることはあります。
将来の転職に向けた経歴の作り方
では現在、希望する企業の書類審査を突破できない方はどうすべきか。
簡単にキャリアプランをする方法をお伝えします。
それはLiknedIn上で、その会社で働いている人のキャリアをチェックすることです。
何名かチェックすると比較的共通点が見つかっていくと思います。広告の営業であれば、ほとんどが元代理店勤務か、外資系企業のマーケティング担当などです。
いきなりそこにたどり着くのが難しそうでされば、その共通点の企業で働いている人の経歴を今度はチェックしてみてください。
もしかしたら新卒で入社しているケースもあるかと思いますが、もう少し難易度の低い企業で働いていた人も見つけることができるケースがあると思います。
求められる英語力
英語については誤解されている方が多いのですが、外資系企業で、例えば日本企業向けに営業するポジションで上司が日本人の場合、英語のレベルは低くて問題ないと思っていただいて間違いありません。
最低限英語を読んで・聞けて、自分の伝えたいことを言える・書ける、といったレベルで問題ありません。
また、TOEICやTOEFLの点数を履歴書に書かれている方を多く見ますが、私が採用をしていた時はほとんど気にしませんでした。採用の意思決定をする際のミーティングでも、そんなことが話題にあがることは一切聞いたことがありません。
一方で、「海外大学卒・留学」のような経歴は、英語で生活ができるという証明として効果が大きく、「最低限の英語力」とういフィルターをパスする上で非常に有効です。(ちなみに、新卒採用では、海外経験は必須であることが多いです。)
そういった経験がない方も、例えばフィリピンのセブやインドなど費用がそこまでかからない国において、3ヶ月短期留学やインターンといった程度でも海外経験としてプラスになります。
虚偽はいけませんが、うまく海外経験をアピールしましょう。
実際のところ、Google や Amazon, Apple, Facebookの日本法人は、既に組織は大きく、オフィス内にいる人はほとんど日本人です。そして、働いている人の英語力もそこまで高くありません。
従って、英語はそこまで苦手ではない、と思ってもらえれば問題ないのです。
転職エージェントの利用
こちらも誤解が多い事項ですが、Google や Amazon, Apple, Facebookといった企業は、リクルーターによるダイレクトソーシング(直接候補者に声をかける)やリファラル制度(同僚からの推薦)が採用の中心で、転職エージェント経由では不利、と思われていることが多いようです。
結論としては、転職エージェント経由で不利ということはありません。
リクルーティングチームはコストセンター(対して、営業などがプロフィットセンター)のため、あまり大人数のリクルーターを抱えることは経営上望ましくなく、基本的に最小人数で運営しています。
そして、いざ埋めなければいけないポジションが増えて手が足りなくなると、転職エージェントと契約をして候補者を紹介してもらいます。
さらに、転職エージェントは法人としてお付き合いをしているので、各候補者を不採用とする場合もしっかりと説明することが求められます。それがないと、転職エージェントも次はどういう人を紹介したらいいか分からず両社にとって非効率なわけです。
従って、転職エージェント経由の方が、フィードバックがしっかりもらえる可能性が高い、といったメリットもあるのです。(転職エージェントとクライアント企業との関係性にも当然ながらよります。)
面接突破にのために活用したいリクルーター
さて、晴れてリクルーターのスクリーニングを突破したとしましょう。
ここで多くの候補者が気づかない大きな変化が1つあります。それは、リクルーターをあなたの味方として活用できる、という点です。
リクルーターの仕事はポジションを一刻も早く埋めることで、あなたと利害関係が一致します。
多くの候補者は、最初のステップを通過した程度にしか捉えません。
しかし、内部の状況に詳しいリクルーターの方を通じて情報収集することは、面接突破のためにぜひ実施したいことです。
リクルーターの具体的な活用法はnoteの有料記事で詳細を解説しています。
面接を控えている方は、ぜひこちらのnote記事をチェックください。
👉 面接突破に欠かせない「リクルーター」の活用法【聞き出したい8つの質問】
面接プロセスを活用して成長する
さて、リクルーターのスクリーニングを突破するといよいよ本面接です。
本面接を突破するための心構えですが、私のアドバイスとしては、「本面接中も貪欲に成長を目指す姿勢で望んでみてください」というものです。
GAFAに勤めていたある日、採用担当者同士で雑談をしていたことがあったのですが、外部から応募する候補者に非常に役立つ話をしていました。
もともと話の発端は、「これだけ内部で社内異動が推奨されていると、人気のポジションは基本的に内部の社員で埋まっていくよね」というもの。
確かに、内部の社員はアクセスできる情報が圧倒的に多いので、外部から応募している候補者に比べ圧倒的に有利です。
しかし、その時に他の採用担当が話していたことが非常に印象的でした。
「外部からの応募でもイケてる候補者は、面接のたびに成長していく」とういもの。
確かに、面接を突破する候補者は質問時間をうまく使って、会社やプロダクト、仕事に関する理解を面接ごとに高めて成長していきます。
多くの企業の面接では候補者への質問の場が与えられているかと思いますので、その時間は面接突破にフル活用してください。
ポイント
面接中の質問時間は「面接突破のため」にフル活用する
例えば、後でリクルーターに聞けば答えてもらえるようなことを、面接官に聞くのは非常にもったいないです。ぜひ、その面接官だから提供してくれて、次の面接の際に回答に活かせそうな「生きた情報」を収集しつづけましょう。
オファーがでたら「あなた」が選ぶ立場
晴れてオファーの連絡がきたら、そこからはあなたが選ぶ立場です。
そこから、リクルーターの使命は「オファーレターにサインをさせること」となり、あなたが圧倒的に交渉力を持ちます。
基本的にポジションごとに予算の幅は決まっており、その上限までであれば基本的に交渉の余地があります。
また、外資系テック企業の現場では、人材の予算と事業のパフォーマンス評価は分けて管理されているケースがほとんどです。
すなわち、あなたがいくらの給与がもらっていようが、それが人件費としてハイアリングマネージャーのビジネスパフォーマンス評価には影響を及ぼさないということです。
「あなたに満足して入社してもらえればいい」ということになる。
また、この段階で、不安な点や確認したいことがあれば、全て質問し解決するようにしましょう。
ここまで到達できたのは、みなさんのそれまで積み上げたスキルや準備の賜物です。
また、もしこの記事が少しでもそのお手伝いができていたら嬉しい限りです。
年収2,600万円の過程で私が使った転職サイト
現在このような記事を書いている私ですが、キャリアのスタートは日系中小企業で年収360万円からでした。その中で、自分なりにキャリアアップ・年収アップするために必要な考え方やスキルを身につけていった形です。
そして、私が年収2,600万円にいたる過程で、転職サイト・転職エージェントには非常にお世話になっており、特におすすめの転職サイトを「年収2,600万円の過程で実際に使ったハイクラス転職サイト【厳選まとめ】」という記事にまとめています。
転職を目指してこの記事を読まれた方には、非常に強い味方になるかと思いますので、興味があればチェックしてみてください。(現在のところ、無料で公開しています)