今日は、外資系戦略コンサルティングファームへの転職を目指している方に向けて、私が外資系戦略コンサルティングファーム転職した方法を内部にいる者の視点を加えて書きたいと思います。
私自身、地頭はあまりよくなく、新卒採用でマッキンゼーやボストンコンサルティンググループ、ベイン・アンド・カンパニーなどに応募するも入社試験の筆記試験さえ通過できず、面接に辿り着かなかったと記憶しています。
その後、GAFAなど外資系テック企業を経て、戦略コンサルファームビック3・MBBに裏口から転職しました。そのため、戦略コンサルティングファームに入りたいけど入れない人には、参考にしていただけるかと思います。
なお、外資系コンサルティングファームと外資系テック企業を比較した記事を書いているので、外資系コンサルティングファームの働く環境に興味がある方はコチラの記事を見てみてください。
戦略コンサルファームのデジタル部隊を狙う
早速結論ですが、戦略コンサルティングファームに転職したいがなかなかうまくいかない人は、戦略コンサルティングファームの「デジタル関連の部隊」を狙ってみてください。
デジタル関連の部隊:McKinsey Digital, Digital BCGなど
当然ながら、戦略コンサルタントとしての入社ではないかもしれませんが、それでも戦略コンサルティングファームで働くことで学べる多くのことに触れることができ、また、これから伸びるキャリアパスのためとてもおすすめです。
戦略コンサルファームで働く魅力は十分に享受できる
ファームや案件によって差はありますが、戦略コンサルティングファームの案件は、デジタル案件か否かに限らずコンサルティングチームのマネージメント陣が営業して案件を獲得してきます。
そのため、デジタルスキルのある人材は、コンサルタントやクライアントのフロントとなるケースリーダーと一緒にチームになって動くことが多くなります。例外もありますが、その場合もクライアントのキーパーソンと戦略レベルの話ができる人材がチームに入らないことはあまりないといっていいでしょう。
いわゆる戦略コンサルタントの働き方、考え方、スキルなどは一緒に働く中で、学び盗んでいくことができるわけです。(私が考える戦略コンサルティングファームで働く魅力の詳細は、後半でさらに解説します。)
大きな将来性がある
McKinsey Digitalにしても、 Digital BCGにしても、このような部隊を設けて採用を強化しているのは、ビジネス上の需要が強くあるからに他なりません。
毎日のように企業のDX関連の記事を目にする状況からは容易に推測していただけるかと思います。
これまで戦略コンサルティングファームといえば、戦略を描く会社でしたが、これからは戦略からデジタルの実行支援まで行ってビジネスを伸ばすトレンドがあるわけです。そして今後、戦略コンサルティングファームにおいて、デジタル関連の売上はマジョリティを占めるようになっていくでしょう。
以下の記事から抜粋したBCGのオファリングは、このトレンドを非常によくあらわしています。
戦略だけを描くのではなく、しっかりとデジタルなど新しい領域において、クライアント自信で実行可能な状態にする「イネーブルメント サービス」を主軸に据えています。
そして、戦略を描くだけの戦略コンサルティングと異なり、実行には人的リソースが多く必要となります。そのため、今後組織的な規模としても、デジタル部隊は大きく成長していくことが想定されており、現にそのような状況になりつつあります。
以下はマッキンゼー・デジタルの2022年3月時点の採用職種ですが、さまざまな職種に採用をかけていることがわかります。テック系のスタートアップとなんら変わりない募集職種ですね。
日本の大企業はこのような人材の採用方法もノウハウがのないところが多く、コンサルティングファームがこの辺りの人材を確保して、クラインと企業のデジタルサービスを立ち上げを支援する流れはしばらくは継続、拡大していくと思われます。
入社難易度が低い
戦略コンサルタントというと「地頭のいい人」、というイメージが一般的ですが、入社して一緒に働かせていただいた経験からもそのイメージに相違はありません。それどころか想像以上で、地頭がそこまで良くない私は、彼らと同じ土俵で競うのは絶対に辞めようと思ったくらいです。
そして、いまだに就職・転職の人気企業にランクインしており、まさにレッドオーシャンな職種といえるでしょう。
それに対して、デジタル系の人材は枯渇しており、かつ、その基礎となるスキルが手に入るスタートアップの入社難易度はとても低いのが現状です。多くのスタートアップは、高い給与が払えないため採用に苦労しており、インターンシップの学生や派遣・業務委託などで主要なリソースをまかなっています。当然ながら、資格などは一切必要なく、簡単に入社できます。
そのため、仮に今デジタル関連のスキルセットを持っていない方でも、スキルを得るためにスタートアップに入社して貴重な経験をし、その後、給与水準が高い戦略コンサルティングファームのデジタル舞台に転職することは、スキル獲得・年収アップ両面からおすすめできるキャリアパスです。
戦略コンサルティングファームへの転職方法
では、戦略コンサルティングファームへの転職はどのように進めるべきか。
答えは、戦略コンサルティングファームのデジタル関連の求人を多く扱っている転職エージェントを利用することがおすすめです。
デジタル人材の採用は戦略コンサルタントとは別
基本的に、戦略コンサルタント人材と、デジタル人材は、一部被りはあるものの対象の人材が働いている業界が大きく異なります。
戦略コンサルタントは、いわゆるトラディショナルな有名大手企業群やMBA卒業候補者などが主なターゲットであり、デジタル人材はテック業界で働いている人が主なターゲットとなります。
そのため、採用もデジタル部隊単独で行い、かつ、独自に転職エージェントと契約をして採用を行うケースが多い状況です。もちろん、例外もありますが。
従って、戦略コンサルタントの求人案件をもっている転職エージェントが、デジタル人材の求人案件を扱っているケースは少なくその点は注意が必要です。
ハイクラス向けの転職エージェントを活用する
では、どのような転職エージェントを利用すべきか、また、なぜウェブサイトから直接申し込まずに転職エージェントを利用すべきなのか。
そんな疑問を持った方は、私がオススメする転職エージェントや、転職エージェントの活用理由と活用方法を書いたコチラ記事は参考になるかと思います。
一度は経験したい戦略コンサルティングファーム
さて、ここまで戦略コンサルティングファームへの転職方法について書いてきましたが、ここからは、なぜ戦略コンサルティングファームへの転職がおすすめか、私が感じた魅力を書いていきます。
マネージメント人材として一生もののスキルが身に付く
私もまだまだ日々勉強中で未熟ですが、コンサルティングファームでは仕事において「どのようにするのか」というHOWの効率的なアプローチを徹底して学ぶことができます。
プロジェクトマネージメントの仕方から論点の立て方、立てた論点のさばき方など、頭を使って何か成果を出すために必要なメソッドを身につけられるわけです。
その後の転職の幅が一気に広がる
戦略コンサルティングファームに転職してから起きた変化の1つが、LinkedInなどでヘッドハンターから声をかけられる求人案件の幅が圧倒的に増えた点です。
有名戦略コンサルティングファーム出身者に絞ってヘッドハンティングをこなっているケースも多く、人材業界における戦略コンサルティングファーム出身者への評価の高さを身をもって感じました。私自身は戦略コンサルタントでもないですし、まだまだ日々の仕事を十分にこなさるところまでいけていないので、今後はしっかりとその評価に泥を塗らないよう成長していければと思います。
知識労働者にとっての楽園
大手戦略コンサルティングファームが扱う内容は、マネージメントイシューという組織のトップが頭を悩ませるようなものばかりです。そして、そのようなハイレベルなことに次から次へと関わることができ、頭をフルに使った知的な仕事をして毎日を過ごすことができます。
そういった背景もあって、有名な事業会社を複数経験した人も、最終的に大手戦略コンサルティングファームをキャリアとして選ぶケースが多いことも事実です。年齢関係なく40代、50代の方も最前線で、かつ、(私が知る限り)皆さん楽しそうに仕事をされています。
青天井の年収
大手戦略コンサルティングファームの給与は、パフォーマンスによって青天井です。重鎮クラスになると億円規模の年収になります。
もちろんあくまでも雇用されている身としてであり、自分の会社を経営している人ほどの青天井さは当然ながらありません。また、億円規模でもらっている人はごくわずかです。
とはいえ、自分で事業を起こすことが得意でない人にとっては、数少ない給与待遇の上限が高い企業かと思います。
以上、戦略コンサルティングファームで働く魅力を書いてきました。
冒頭に書いた通り、私自身は地頭もよくないため、サラリーマンとしての競争は避けてスタートアップの企業などで一発当てたいな、と思っていました。
そんな中、たまたま縁あって大手戦略コンサルティングファームで働く機会を得て、1〜2年でやめればいいかと軽い気持ちで転職した形です。しかし、いざ働いてみると、今まで経験したことのないような視座や社会への貢献の仕方の幅を感じることとなり、戦略コンサルティングファームへの転職は私の人生にとっても大きな転換点となりました。
戦略コンサルティングファームという特異な組織で働く希望を持っている方の転職の成功を陰ながら応援しています。