私は、GAFA、外資系コンサルティングファーム、外資系ユニコーンテック企業など転職を繰り返して、オファーでいただく年収も2,000万円台後半に差し掛かってきました。
そんな私が、2022年に転職先としてよさそうだなと思っている企業、一方で昔に比べて魅力が減ってきたなと思う企業や領域などを、鮮度が大事な転職ニュース記事として今日はご紹介します。
なお、私が年収2,000万円台後半のオファーもらうまでに利用した、おすすめのハイクラス向け転職エージェントはコチラで紹介しています。
日系企業のDX子会社
これまで外資畑でキャリアを積んできた私は、昔は日系企業というだけで避けていました。
しかし、最近いただくリクルーティングの内容をみていて、今後は「日系企業もありかもしれない」と思い始めています。もちろんまだ働いたことはないので、外から見た所感です。(中の方からみて、現実は違うよ、ということがあればぜひ教えてください。)
例えば、トヨタの子会社である、Woven Planet Holdings。
採用をかなり積極的に行なっており、私くらいのレンジだと2,500~3,000万円以上でオファーを出しているようです。外資系企業の転職で当たり前な、基本現在年収よりアップといった状況です。
ちなみに、CEOはJames Kuffnerさんでトヨタ自動車のCDOの方です(2022年1月現在)
今後は、特に世界的にみても競争力があるモノづくり企業などへの転職はホットになっていくかもしれません。
なお、本業が危ない日系大手の企業には、迷走しているDXの取り組みも数多くあるので注意してください。
給与だけなら外資系企業に劣らない
あくまでも私のような年収レンジの話ですが、基本的にGAFAや外資系テック企業の中間管理職の給与と変わらず、むしろそこから人を引き抜こうとしています。また、外資系のコンサルティングファームよりは高いと思います。
本社の給与・評価体系とは別に設計しているということもあるでしょう。日本企業の子会社というと、だいたい親会社の立場が圧倒的に強くて、といったことがこれまで普通でしたが、ここにきて変わりづらい親会社ではなく、子会社に人材含めて大きな投資をして組織を一から作り、次の成長を生み出そうとしているのが最近の日系大手企業の特徴です。
ただし、ストックオプションなどはなく、その点は会社が成功すればその分大きなリターンを一緒に受けられる外資系のテック系企業とは異なる点です。
デジタル人材を優遇するトレンドがきている
最近、私の外資系コンサルティングファームや外資系ITコンサルティングファームに勤める友人でも日本企業の大手企業、あるいはその子会社への転職をする人が増えています。当然ながら年収も満足いくオファーをもらってのことです。
これまでDXのために、まずは外注やら外部のコンサルティングをいれて高い費用をはらって進めていましたが、結局は雇ってしまった方が安いしよりうまくいく、ということに大企業が気づき始めたのがここ数年です。
そして、日本企業も後がなくってきていると感じている企業が増えているため、おそらくこの流れは加速していくと思います。
少し前から役員クラスの高待遇で有名なファーストリテーリングですが、最近はプロダクトマネージャーやエンジニアの採用も活発で、今後はテック企業と人材を取り合っていく企業になるでしょう。とはいえ、プロダクトマネージャーの年収は1,300万円程度と聞いており、しばらくは日本のスタートアップ・テック企業からの人材の獲得になりそうです。
魅力が薄れる外資系テック企業
続いて、個人的に魅力が減っていくだろうなと思っている領域について。
Googleが人気就職先や合コンしたい企業で名前をみせるようになって久しいですが、外資系テック企業はここ10年以上に渡って人気の就職・転職先でした。
しかし、メタバースや仮想通貨など新しい領域で、外資系企業ならではのポジションやビジネスモデルが確立されるまでは、外資系テック企業の人気は徐々に下降していくと想定しまいます。
インターネットサービスのフロンティアあまり残されていない
理由の1つが、Web2.0で起こりうるべき大きなイノベーションはほとんど終わっており、インターネット業界が成熟産業化してきていることです。
そして、日本のインターネット企業の中にもようやくその戦いが身についてきており、そう簡単にオイシイ市場を外資系企業に譲らなくなってきています。また、マイクロソフト、Google とテック企業が次々に日本市場で大きな売り上げを出すことが当たり前になり、外資系企業同士の競争も激しくなっています。
例えば、最近だとフードデリバリー領域に新規のプレイヤーが多く参入していますが、2020年9月に参入したデリバリーヒーローは2022年に日本から撤退する計画を発表しました。また、スニーカーマーケットプレースとして米国でStockXやGoat Groupが注目を集めていますが、日本でもすでにSODA社が提供するSNKRDUNKなどがタイムマシーン経営のような形でバリュエーションをあげています。
日本のタイムマシーン経営のスピードが上がってきて、外資系企業が入る前には真似て検証できている状態が一般化してきています。
昔のように一人勝ちで大きく利益を出せるだけの領域は少なく、また、その可能性があるところには日本のインターネット企業も徹底抗戦をしています。新しい外資系スタートアップがノーガードの相手からバンバン領地を取れるような状況にはなくなってきているわけです。
ちなみに、以下は最近私がよく声をかけられる外資系企業です。
- GAFA, Netflix, Pinterest, Snapなどすでに規模がありほとんどが上場済みのインターネット企業大手
- EC、ミールキットデリバリーやフードデリバリーなどリアルなものを運ぶ系のテック企業
- 決済会社など歴史のある企業
- 日本企業を支援するコンサルティングファーム
- SaaS企業(新たに入ってくる件数でいうと今一番多い)
といった具合。(私の身の丈にあったところからしか声をかけてもらえていないということも大いにありますので参考程度まで)
権限が小さい
この点は昔も今も変わっていませんが、日系企業が給与水準を合わせてくる中で、あえて他の国に本社がある日本の営業支店で働くことの魅力はさらに下がっていくと思います。
ジョブ型採用で、組織も大企業となったインターネット企業大手で任される仕事は、小さくなりがちです。
その他外資系企業に残された魅力で言うと、ストックオプションといった待遇面 、給与全額保証される育児休暇など福利厚生、働き方などのカルチャー、人によっては英語が使える環境、といったコアな業務経験以外のところでしょうか。
創業者以外アップサイドが薄い日本のスタートアップ
では、日本のスタートアップはどうか。
残念ながら、日本のスタートアップは転職先としてまだまだ魅力は低いと思っています。
もちろんメルカリなどある程度資金が潤沢になったフェーズのスタートアップは例外的に、上場前でも2,000万円以上で人を採用していました。また、SaaSなど営業成績と報酬を結びつけやすい業界では、スタートアップでも3,000万円の年収に加えて、ストックオプションもつけるケースもあります。
しかしながら、多くのスタートアップはまだまだ1,500万円程度の年収、プラスわずかなストックオプションというのが一般的ではないかと思います。場合によっては、ストックオプションは成果に応じたボーナスのみなんてケースもよく見かけ、まだまだ創業者が自分以外の人のリターンをしっかり考えて報酬を設計することがスタンダードにはなっていない印象を受けます。
それこそあなたがバイネームで経営者から直接口説かれるような人材にならないと、大きなリターンは見込みづらい状況です。
また、日本のスタートアップについては、よくて日本市場止まりな可能性が海外のスタートアップに比べて非常に高く、それもアップサイドを大きく制限をしています。
楽天やメルカリ、スマートニュース、サイバーエージェントといった日本では名前の知れたインターネット企業も、海外でブレイクスルーする兆しはいまだに見えていません。これもWeb2.0のインターネット産業自体がすでに成熟していて、大方の勢力図が決まってしまっていることが大きいでしょう。
もしかしたらインターネット業界以外で勝負している日本のスタートアップの方が、海外で名をあげる可能性は高いかも知れません。ただ、その企業が転職先として魅力を高めるには、さらにもう1回り時間がかかりそうです。
以上のような状況で、私は外資系企業に片足をいれて働きながら、日系の大手企業含めた転職を考えています。
なお、今回は給与や待遇を中心に比較しましたが、人によって重要度は様々です。自分のやりたいことか、家族との時間を確保できるかなど皆さんが大事にしている軸も考えながら次の転職先を選んでくださいね。
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