私はこれまでGAFAで海外オフィス含め5年以上勤務し、主力事業のマネージャーから新規事業の責任者などを経験してきました。
その他にも、外資系戦略コンサルティングファームやユニコーン企業などでも働きましたが、Google, Apple, Facebook, Amazonといった企業は転職先としても大きく注目されており、面接の準備、特に質問内容やその対策について質問をいただきます。
そこで今日はGAFAの中の1社、Googleの面接をテーマに、どのような質問・問題が聞かれるか、その質問パターンと模範的な答えをご紹介することで、面接対策として準備に役立つ記事を書いてみたいと思います。
なお、面接まで辿り着かない人、Google後にも年収をどんどん上げていきたい人向けに、私が年収2,600万円の採用オファーをもらって後の、今もなお信頼して利用している転職エージェントはこちらでご紹介しています。
面接官が必ず確認したいこと
さっそくですが、そもそも私のような面接官・採用責任者が、何を確認しようとしているのか?大きく大別すると、2つのことを面接の時間で確認しようとしています。
Googleの面接官が確認したいこと
- ⅰ) 業務へのフィット
- ⅱ) 会社・チームへのフィット
大きくはこの2つとなります。
ⅰ) 業務へのフィット
各職種に問われる専門性やスキルと言い換えてもいいかもしれません。一言でいうと「この人この仕事ができるか?」を知ろうとしています。
新卒採用を除き、基本的に中途での外部からの転職の場合、実施が想定される業務経験とスキルを持っていない人は採用できません。特殊性が高い仕事の場合など例外はありますが、その場合でも関連する経験と周辺領域のスキルや知識が要求されます。
質問の内容は、職種ごとに異なり専門的な内容となります。当然ながら、質問への答え方も、その領域について知っていることが伝わるように答える必要があります。
ⅱ) 会社・チームへのフィット
特にシリコンバレーの企業を中心に、会社のカルチャーやバリュー、ミッションを大切にしています。例えば、
などです。会社によって言い方や重視の仕方は様々で、公開されていないものやしっかりまとまっていないケースもあります。また、チームやその時々によって重視しているバリューがあったりもします。
これらを事前にリクルーターや、(知り合いがいれば)その他の社員に確認しておくことをおすすめします。
日本にも企業文化といったものがありますが、面接で採用の合否決めるほどまでに利用している企業はまだまだ少なく、日系企業出身者には感覚的なギャップが生まれやすい評価項目となります。
面接官が利用する2つの質問方法
それでは、a) 業務へのフィットとb) 会社・チームへのフィットを確認するために、Googleではどのように質問がされたり、問題がだされるのでしょうか。
私含め、多くの面接官は2つの質問方法を軸に、面接の質問を構成します。
面接官の質問方法2つ
- 過去の経験を聞く「経験ベースの質問」
- 想定される架空のケースを聞く「ケース問題」
大きくはこの2つとなります。
この2つの質問パターンを通じて、a) 業務へのフィットとb) 会社・チームへのフィットを見てきます。
どちらの手法がよく取られるかは企業や面接官により異なり、
Googleの場合は職種により異なりますが、ⅰ)経験ベースの質問, ⅱ)ケース問題、両方が用いられます。
一方で、例えばAmazonの場合は 1)経験ベースの質問にこだわっておりケース問題は推奨されていません。(それでも面接官によってはケース問題を出題するケースもあるのが実情ですが。)
また、その他にも候補者のキャリアプランや、地頭をみるためにフェルミ推定のような質問を効くケースなどもあります。ただし、近年は構造化面接が主流になっており、突拍子もない質問がされることは少なくなっています。
7つの質問タイプに備える
ここまで、面接官がチェックしたい内容(WHY)とそのためにどのように質問をするのか(HOW)について共有しました。
それでは、肝心の質問はどのようなものがあるのか(WHAT)、ここで質問のタイプをご紹介していきます。
7つの質問タイプ
- a) 計画や戦略を問う質問
- b) 実行方法を問う質問
- c) 成果を問う質問
- d) 他者との働き方を問う質問
- e) 知識を問う質問
- f) 思考力を問う質問
これら7つの質問タイプについて、以下で紹介する職種ごとに想定質問と参考回答を参考に、自分が応募している職種と自分の過去の経験や知識に基づいて面接に向けて準備してみてください。
なお、7つの質問タイプは、個別の質問によって強弱がつくため、あえてMECEには整理していません。そのため、面接官の聞き方や方針にによって2つ同時にとわれることもあります。例えば、経験ベースの質問で過去の仕事について聞かれている場合、多くの場合、候補者の仕事の実行方法と知識両方がチェックされ得る形となります。逆に、ケース問題であれば、実行方法とともに思考力まで問われることでしょう。
a) 計画や戦略を問う質問
候補者が入社したときに、しっかりと市場参入の計画を立てられるか、自分の営業プランやオンボーディングプランを立てられるかを確認する質問です。特に、シニアなポジションになると戦略性が問われ、市場環境やマーケットのダイナミズムを論理立てて説明することが求められます。
b) 実行方法を問う質問
実際に業務を遂行する力があるかを確認する質問です。実務では計画通りにことが運ぶことが少ないため、特に失敗した時のリカバリーの方法や現場感あふれる経験を深く問われることが多いです。
c) 成果を問う質問
あなたの成功体験や失敗体験を聞くことで、あなたの仕事のスケールやその経験にまつわる実行方法を掘り下げるために聞く質問です。同じ仕事でも表現の仕方1つで、魅力的にも大したことがないようにも聞こえます。自分の成果について、謙虚になりすぎずにうまくアピールしましょう。
d) 他者との働き方を問う質問
当たり前ですが、仕事は1人ではできません。特に、他の部門との調整や自分のレポートラインにない人を動かす必要がある職種では、他の人との働き方やリーダーシップの発揮の仕方が聞かれます。
e) 知識を問う質問
仕事を実行するために必要なツールの名前から、専門職であれば当然知っている専門知識などを確認するために問われます。
f) 思考力を問う質問
外資系コンサルティングファームの影響もあり、思考力を問うフェルミ推定やケース問題が聞かれている時期がありましたが、近年では減ってきている質問タイプです。とはいえ、プロダクトマネージャーやマーケティング職のケース問題では、まだまだ思考力、また解答のクリエイティブさは問われており、職種によっては準備をしっかりとしたい質問タイプです。
それでは、職種ごとに具体的にどのような質問がされるか一緒にみていきましょう。
いったん、質問の多い営業職とプロダクトマネージメント職について、想定質問を書きます。その他の職種について知りたい方は、TwitterなどでDMをいただければ可能な範囲で記事を追加させていただきます。
面接で聞かれた32の質問:営業職編
それではまず、営業系の職種で想定される質問です。
営業職については、広告やGoogle Workspaceの営業、カスタマーサクセス職などを含めて、職種特性の観点から営業職と一括りにして紹介していきます。基本的な考え方は同じですので、扱う予定ではない製品についても、なぜこういった質問がなされているのかを考え、ご自身の面接に向け準備してみてください。
経験ベースの質問:広告営業
ケース問題:広告営業
経験ベースの質問:Workspace, Cloud営業
ケース問題:Workspace, Cloud営業
答え方のポイント:営業編
営業職については、自身の仕事の計画の立て方が戦略的に行えるか、過去に同様の企業規模や売上規模を担当し成果を出しており、Googleでもそれが期待できるか、といった点などが重視されます。
一般的な企業(特に日本企業)に比べると、Googleの広告製品もSaaS製品も、認知はしっかりとされており、Googleといって話を聞いてもらえないケースは少ないため、いわゆる放っておくと一切売れない製品を営業力で売る企業の営業とは異なってきます。この観点で言うと、いわゆるドブ板営業のような営業手法をひたすら説明するよりかは、すでにGoogle Japanで繋がりのある企業にいかに効率的にユーザーに変えていくか、ブランド力を活かしていかに営業していくか、といった今のGoogle にあった戦い方が話せるとプラスです。
また、当然ながらGoogleにも競合はおり、WorkspaceであればMicrosoft、小さいところではSlack(Salesforce)やZoomなど、Cloud製品であればAmazonのAWS、広告製品であればYahoo JapanやLINE、FacebookやTwitterと、強い競争相手がいる形となります。この辺りの、競争環境を含めて日本という市場でのシェアを上げる視点をもっていると、全体の解答も一段高い視座から答えることができ、マネージメントをする職種でなくても評価は高くなりやすいです。
面接で聞かれた7つの質問:プロダクトマネージャー編
さて続いてプロダクトマネージャーの面接で想定される質問をみていきましょう。プロダクトマネージャーは、プロダクトセンスというものが重要視されており、ある程度候補者のバックグラウンドを把握した後は、特定の経験やケースについて深く掘り下げながらインタビューをしていくことが一般的です、
経験ベースの質問:プロダクトマネージャー編
ケース問題:プロダクトマネージャー編
このような形で、新しいプロダクトの企画、プロダクトの改善や成長などについて大きなお題が1つ出され、それをロジック立てて解答し、それにさらにフォローアップの質問がくるような形となります。
答え方のポイント:プロダクトマネージャー編
どの質問についても正しい答えというものはなく、いかにロジカルに提案をできるか、がポイントです。
そのために、自分の中で汎用的なフレームワークや解答の切り口を準備しておき、それに沿って回答していくことがおすすめです。
よく使える解答の切り口の例:
- 会社のミッションから指針を決める
- ユーザーファーストで指針を決める
- 社会的なトレンドから指針を決める
など。自分が面接官になったつもりでシミュレーションを繰り返し、分析のフレームや切り口を自分に馴染ませておきましょう。
面接の回数と結果がわかるまで
さて、いざ選考が始まった際に気になる点が、面接は全て英語か、Google では面接は何回あるのか、また結果はいつどのように知らされるか、といった点でしょう。質問をよくいただくのが、この記事で回答致します。
面接は英語か?
Google Japanは大きな企業になってきており、すでに日本人が多く働いています。あなたがマネージャー以上ではなく、現場のポジションを応募している場合、ほとんどの面接は日本語で行われると思っていて間違いはありません。
確認したい場合は、リクルーターに面接が日本語か英語か事前に聞いておきましょう。
なお、通常は、面接官の名前とタイトルは共有されるので、日本人かどうか名前である程度判断できます。名前やタイトルが共有されない場合は、リクルーターに聞いてみましょう。たまに日系の名前でも日本語が話せない人はいるので思い込みは禁物ですが。
Googleの面接は何回あるのか?
基本的に職種やレベルにもよるのですが、多くの現場の仕事の場合は、2ラウンドで終わることがほとんどです。
- 1回目:採用面接官によるスクリーニング
- 2回目:本面接。4人程度と同じ日にインタビューを組まれることが多い
結果はいつどのように知らされるか?
こちらもケースバイケースなのですが、基本的に採用は複数の候補者を面接して一番いい人から採用オファーを出していきます。
そのため、すでに自分の前に面接を終えているのか、あるいは、自分が最初の候補者のなのかで多少の前後が生まれます。
また、社会・経済の事象含め企業には予期せぬことが起こり採用が先延ばしになったりすることもあったりします。そのため、面接後数週間間が空いてしまうということも少なくはありません。連絡がないだけで「落ちた」と思ってしまうのは早計です。
リクルーターは現在の採用の状況について把握しており、いつ頃に判断が出そうかは教えてくれるので、気になる場合は聞きましょう。
特に、あなたがGoogle以外の選考も進んでいる場合、は注意が必要です。他の企業のオファーがでてからは1〜3週間程度しか待ってはくれないこともあるため、仮にGoogleが第1志望なら、そういった状況であることを謙虚に伝えて判断を仰ぎましょう。
基本的に、リクルーターが回答を濁す場合は、あなたを一応キープしておきたいが、必ずしも1番手ではなく他に候補者を探し続けている可能性が高いと思ってください。
ちなみに、通知のされ方は、不採用の場合はメール、採用の場合は電話 or / and メールが一般的です。採用の際に電話をかけてくるのは、オファー内容を固め早めにオファーレターにサインをしてもらうため、また入社の意向の確認のためなどが理由です。